芝居

【役者の始め方】毎日の自主練習が大切です

いぬ
いぬ
これから役者になりたい人へ

お芝居や自己表現の世界で飯を食っていく為にはどんな練習をすべきか?

僕は芝居を語れる程成功している訳ではありませんが、日々行ってきた練習(自主練習や稽古)を参考までにお伝えします。

本記事の内容

・外郎売とは?

・活舌とイントネーションについて。

・感情のコントロールについて。

この記事を読むと分かること

1.毎日継続することの重要性が分かります。

2.一回のワークショップより、毎日の練習の大切さが分かります。

この記事を書いている人

芝居や表現の世界で生きてきて10年が経ちました。僕の場合、10年で大成功を収めることはできませんでしたが、それなりに大御所の方々とご一緒させていただきました。

その際に伺ったお話や、自分が行ってきた練習をお伝えしたいと思います。

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役者になるには毎日の自主練習が重要

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これから役者になりたい人や、現在お芝居や自己表現で食べている人は、きっと練習を行っていると思います。

その練習、毎日行っていますか?

忙しい時間がない疲れている など、毎日練習できないこともあると思います。本当に仕方がなくて継続できないケースがあるので、そんな時は仕方ねぇ。やれる時に思いっきり楽しみましょう。

自分がお芝居の稽古を始めた時に、先生から次のありがたい一言を頂戴しました。この言葉は今でも思い出しています。

「一日疎かにしたら、三日分後れを取ったことになる。だから一日もさぼっちゃいかん。」

競争の激しい表現の世界でレベルアップする為には、どんな練習を続けるべきでしょうか。

もし、まだ自分の中に確立した練習方法がないという場合には、以下のやり方を参考にしてみてください。やらないより、やった方がましだと断言できます。

続けていくうちに、自分なりの練習方法が見つかっていくので自然と洗練されていきます。

結果は目で見える物ではないので、自分を信じるしか方法はありません。是非、背中を押させてください。

外郎売(ういろううり)とは?

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外郎売りは、江戸時代に二代目市川團十郎さんによって確立された、歌舞伎の演目の一つです。

どんなお話なのか相当ざっくり説明します。

先ず、通販番組や、実演販売をイメージしてみてください。

………。

参ります……。

外郎というお薬があります。この薬はすごい効能で、どんな症状でも即座に治してしまい、更には追加効果があります。一度喋り始めると、どんな難しい早口言葉も難しい言い回しでもサラサラサラサラ言えちゃいます。いくつか難しい言い回しを実演し、薬の凄さを表現します。効果も優れていて、本物の薬はこの外郎だけだよ!さぁ、このすごいお薬はいりませんか?

という内容です。

外郎売については、ナレーションでも声優でも一時代を築いてこられた方々は口を酸っぱくして仰っていました。

「今でも外郎売は欠かさない。」

「外郎売をやると、その日の調子が良く分かる。」

実際に練習で使う本文を見て見ましょう。

外郎売の口上

拙者親方(せっしゃおやかた)と申(もう)すは、御立会(おたちあい)の内(うち)に御存知(ごぞんじ)の御方(おかた)も御座(ござ)りましょうが、御江戸(おえど)を発(た)って二十里上方(にじゅうりかみがた)、相州小田原一色町(そうしゅうおだわらいっしきまち)を御過(おす)ぎなされて、青物町(あおものちょう)を上(のぼ)りへ御出(おい)でなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門(らんかんばしとらやとうえもん)、只今(ただいま)では剃髪(ていはつ)致して圓斎(えんさい)と名乗りまする。

元朝(がんちょう)より大晦日(おおつごもり)まで御手(おて)に入(い)れまする此(こ)の薬(くすり)は、昔(むかし)、珍(ちん)の国(くに)の唐人外郎(とうじんういろう)と云(い)う人(ひと)、我(わ)が朝(ちょう)へ来(き)たり。

帝(みかど)へ参内(さんだい)の折(おり)から此(こ)の薬(くすり)を深(ふか)く込(こ)め置(お)き、用(もち)うる時(とき)は一粒(いちりゅうorひとつぶ)ずつ冠(かんむり)の隙間(すきま)より取(と)り出(い)だす。

依(よ)ってその名(な)を帝(みかど)より「透頂香(とうちんこう)」と賜(たまわ)る。

即(すなわ)ち文字(もんじ)には頂(いただ)き・透(す)く・香(におい)と書(か)いて透頂香(とうちんこう)と申(もう)す。

只今(ただいま)では此(こ)の薬(くすり)、殊(こと)の外(ほか)、世上(せじょう)に広(ひろ)まり、方々(ほうぼう)に偽看板(にせかんばん)を出(い)だし、イヤ小田原(おだわら)の、灰俵(はいだわら)の、さん俵(だわら)の、炭俵(すみだわら)のと色々(いろいろ)に申(もう)せども、平仮名(ひらがな)を以(も)って「ういろう」と記(しる)せしは親方圓斎(おやかたえんさい)ばかり。もしや御立会(おたちあい)の内(うち)に、熱海(あたみ)か塔ノ沢(とうのさわ)へ湯治(とうじ)に御出(おい)でなさるるか、又(また)は伊勢御参宮(いせごさんぐう)の折(おり)からは、必(かなら)ず門違(かどちが)いなされまするな。

御上(おのぼ)りなれば右(みぎ)の方(かた)、御下(おくだ)りなれば左側(ひだりがわ)、八方(はっぽう)が八(や)つ棟(むね)、面(おもて)が三(み)つ棟(むね)、玉堂造(ぎょうくどうづくり)、破風(はふ)には菊(きく)に桐(きり)の薹(とう)の御紋(ごもん)を御赦免(ごしゃめん)あって、系図正(けいずただ)しき薬(くすり)で御座(ござ)る。

イヤ最前(さいぜん)より家名(かめい)の自慢(じまん)ばかり申(もう)しても、御存知無(ごぞんじな)い方(かた)には正真(しょうしん)の胡椒(こしょう)の丸呑(まるの)み、白河夜船(しらかわよふね)、されば一粒食(いちりゅうorひとつぶ)べ掛(か)けて、その気味合(きみあ)いを御目(おめ)に掛(か)けましょう。先(ま)ず此(こ)の薬(くすり)を斯様(かよう)に一粒(いちりゅうorひとつぶ)舌(した)の上(うえ)に乗(の)せまして、腹内(ふくない)へ納(おさ)めますると、イヤどうも言(い)えぬわ、胃(い)・心(しん)・肺(はい)・肝(かん)が健(すこ)やかに成(な)りて、薫風喉(くんぷうのんど)より来(き)たり、口中微涼(こうちゅうびりょう)を生(しょう)ずるが如(ごと)し。魚(ぎょ)・鳥(ちょう)・茸(きのこ)・麺類(めんるい)の食(く)い合(あ)わせ、その他万病即効(ほかまんびょうそっこう)在(あ)る事神(ことかみ)の如(ごと)し。

さて此(こ)の薬(くすり)、第一(だいいち)の奇妙(きみょう)には、舌(した)の廻(まわ)る事(こと)が銭(ぜに)ごまが裸足(はだし)で逃(に)げる。ヒョッと舌(した)が廻(まわ)り出(だ)すと矢(や)も盾(たて)も堪(たまら)らぬじゃ。

そりゃそりゃそらそりゃ、廻(また)って来(き)たわ、廻(まわ)って来(く)るわ。アワヤ喉(のんど)、サタラナ舌(した)にカ牙サ歯音(かげさしおん)、ハマの二つは唇(くちびるorしん)の軽重(けいちょう)。開合爽(かいごうさわ)やかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ。一(ひと)つへぎへぎに、へぎ干(ほ)し・はじかみ、盆豆(ぼんまめ)・盆米(ぼんごめ)・盆牛蒡(ぼんごぼう)、摘蓼(つみたで)・摘豆(つみまめ)・摘山椒(つみざんしょう)、書写山(しょしゃざん)の社僧正(しゃそうじょう)。

小米(こごめ)の生噛(なまが)み、小米(こごめ)の生噛(なまが)み、こん小米(こごめ)のこ生噛(なまが)み。繻子(しゅす)・緋繻子(ひじゅす)、繻子(しゅす)・繻珍(しゅちん)。

親(おや)も嘉兵衛(かへい)、子(こ)も嘉兵衛(かへい)、親嘉兵衛(おやかへい)・子嘉兵衛(こかへい)、子嘉兵衛(こかへい)・親嘉兵衛(おやかへい)。古栗(ふるくり)の木(き)の古切(ふるき)り口(くち)。雨合羽(あまがっぱ)か番合羽(ばんがっぱ)か。貴様(きさま)の脚絆(きゃはん)も革脚絆(かわぎゃはん)、我等(われら)が脚絆(きゃはん)も革脚絆(かわぎゃはん)。尻革袴(しっかわばかま)のしっ綻(ぽころ)びを、三針針長(みはりはりなか)にちょと縫(ぬ)うて、縫(ぬ)うてちょとぶん出(だ)せ。河原撫子(かわらなでしこ)・野石竹(のせきちく)、野良如来(のらにょらい)、野良如来(のらにょらい)、三野良如来(みのらにょらい)に六野良如来(むのらにょらい)。

一寸先(ちょとさき)の御小仏(おこぼとけ)に御蹴躓(おけつまず)きゃるな、細溝(ほそみぞ)にどじょ(どじょ)にょろり。京(きょう)の生鱈(なまだら)、奈良生真名鰹(ならなままながつお)、ちょと四五貫目(しごかんめ)。御茶立(おちゃた)ちょ、茶立(ちゃた)ちょ、ちゃっと立(た)ちょ。茶立(ちゃた)ちょ、青竹茶筅(あおたけちゃせん)で御茶(おちゃ)ちゃっと立(た)ちゃ。来(く)るわ来(く)るわ何(なに)が来(く)る、高野(こうや)の山(やま)の御杮小僧(おこけらこぞう)、狸百匹(たぬきひゃっぴき)、箸百膳(はしひゃくぜん)、天目百杯(てんもくひゃっぱい)、棒八百本(ぼうはっぴゃっぽん)。武具(ぶぐ)、馬具(ばぐ)、武具馬具(ぶぐばぐ)、三武具馬具(みぶぐばぐ)、合(あ)わせて武具馬具(ぶぐばぐ)、六武具馬具(むぶぐばぐ)。

菊(きく)、栗(くり)、菊栗(きくくり)、三菊栗(みきくくり)、合わせて菊栗(きくくり)、六菊栗(むきくくり)。麦(むぎ)、塵(ごみ)、麦塵(むぎごみ)、三麦塵(みむぎごみ)、合(あ)わせて麦塵(むぎごみ)、六麦塵(むむぎごみ)。あの長押(なげし)の長薙刀(ながなぎなた)は誰(た)が長薙刀(ながなぎなた)ぞ。向(む)こうの胡麻殻(ごまがら)は荏(え)の胡麻殻(ごまがら)か真胡麻殻(まごまがら)か、あれこそ本(ほん)の真胡麻殻(まごまがら)。がらぴぃがらぴぃ風車(かざぐるま)。起(お)きゃがれ小法師(こぼうし)、起(お)きゃがれ小法師(こぼうし)、昨夜(ゆんべ)も溢(こぼ)してまた溢(こぼ)した。

たぁぷぽぽ、たぁぷぽぽ、ちりからちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一干蛸(いっちょうだこ)。落(お)ちたら煮(に)て食(く)お、煮(に)ても焼(や)いても食(く)われぬ物(もの)は、五徳(ごとく)・鉄灸(てっきゅう)、金熊童子(かなぐまどうじ)に、石熊(いしくま)・石持(いしもち)・虎熊(とらくま)・虎鱚(とらきす)。中(なか)でも東寺(とうじ)の羅生門(らしょうもん)には、茨木童子(いばらぎどうじ)が腕栗五合掴(うでぐりごんごうつか)んでおむしゃる、彼(か)の頼光(らいこう)の膝元去(ひざもとさ)らず。鮒(ふな)・金柑(きんかん)・椎茸(しいたけ)・定(さだ)めて後段(ごだん)な、蕎麦切(そばぎ)り・素麺(そうめん)、饂飩(うどん)か愚鈍(ぐどん)な小新発知(こしんぼち)。小棚(こだな)の小下(こした)の小桶(こおけ)に小味噌(こみそ)が小有(こあ)るぞ、小杓子(こしゃくし)小持(こも)って小掬(こすく)って小寄(こよ)こせ。

おっと合点(がてん)だ、心得田圃(こころえたんぼ)の川崎(かわさき)・神奈川(かながわ)・程ヶ谷(ほどがや)・戸塚(とつか)は走(はし)って行(い)けば、灸(やいと)を擦(す)り剥(む)く三里(さんり)ばかりか、藤沢(ふじさわ)・平塚(ひらつか)・大磯(おおいそ)がしや、小磯(こいそ)の宿(やど)を七(なな)つ起(お)きして、早天早々(そうてんそうそう)、相州小田原(そうしゅうおだわら)、透頂香(とうちんこう)。隠(かく)れ御座(ござ)らぬ貴賎群衆(きせんぐんじゅ)の、花(はな)の御江戸(おえど)の花(はな)ういろう。

アレあの花(はな)を見(み)て、御心(おこころ)を御和(おやわ)らぎやと言(い)う、産子(うぶこ)・這子(はうこ)に至(いた)るまで、此(こ)の外郎(ういろう)の御評判(ごひょうばん)、御存(ごぞん)じ無(な)いとは申(もう)されまいまいつぶり、角出(つのだ)せ棒出(ぼうだ)せぼうぼう眉(まゆ)に、臼杵擂鉢(うすきねすりばち)ばちばち桑原桑原桑原(ぐわらぐわらぐわら)と、羽目(はめ)を外(はず)して今日(こんにち)御出(おい)での何茂様(いずれもさま)に、上(あ)げねばならぬ、売(う)らねばならぬと、息(いき)せい引(ひ)っ張(ぱ)り、東方世界(とうほうせかい)の薬(くすり)の元締(もとじめ)、薬師如来(やくしにょらい)も照覧(しょうらん)あれと、ホホ敬(うやま)って外郎(ういろう)はいらっしゃりませぬか。

独特の読み方がたくさんあります。…普通読めませんよね。

なので振り仮名を振ってみたのですが、そうしたら今度は果てしなく読みにくくなりました(^^)/

扱う役者や御家によっては、大きく読み方や表現のし方が違うので、あくまで一つの参考にしてください。

真面目に外郎売をやると、汗をかきます。本当です。本気で行う際には、カラオケボックスか、自宅の場合にはバスタオルや枕を口に押し当てて、発生するボリュームは殺しつつも表現のクオリティは落とさないようにして練習すると上達します。

正しい音で正しい表現を行うと、どうしてもある程度のボリューム(声の大きさ)が必要です。

一回10分くらいかかるので、お風呂の前にやると良いですよ。汗かきますし。

外郎売をどうトレーニングに活かすのか?

①外郎売を暗記します。

②すらすら発声できるように繰り返し発生します。

③苦手なポイントを理解します。

(僕の場合、「御茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ。茶立ちょ、青竹茶筅で御茶ちゃっと立ちゃ。」が苦手です。)

④ストレッチをしながら、詰まる事なくすらすら言える様になればある程度の成果が出ていると言えるでしょう。

活舌とイントネーション

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活舌とイントネーションは、どんな世界でも超重要です。

活舌とは、話す言葉を正しくはっきり伝えることを指します。また、イントネーションは話す言葉の抑揚であり、正しい音のことを言います。

この、活舌とイントネーションが間違っていると自分が表現したい言葉が正しく相手に伝わりません。

上の外郎売の中にこんな言い回しが出てきます。

御茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ。茶立ちょ、青竹茶筅で御茶ちゃっと立ちゃ。

活舌が悪い場合、下の様な感じになります。

おたたちょ、たたちょ、たっとたちょ、たたちょ、あおたけさせんでおたたっとたちゃ。 

活舌が悪ければ、何のことを言っているのか全然分かりません。

また、イントネーションという面では、言葉には正しい音が存在しています。特に地方出身者の場合、標準語を意識しなければならない為、普段自分が何の疑いもなく発生している音は大きく違っている場合があります。

横浜生まれのはまっこの場合でも、一都三県なので完全な標準語圏かと思いきや、人によっては大きくイントネーションが違うケースがありました。

これを「なまり」と言います。標準語圏に住んでいても、家族間の発音に多少の違いがあるので、知らないうちにちょっとだけなまっている可能性があります。

現場で初めて指摘されて気付く人も多いと思います。

活舌とイントネーションについては、その日の体調にも左右されるため、徹底的な日ごろの訓練が必要になってきます。

言葉と聞くと、声優やナレーター、アナウンサーなどを想像すると思いますが、一般社会でも電話の受け答えからお客様との商談などで、伝える言葉の印象が少し違うだけで損をするケースがたくさんあります。

どんな世界でも、活舌とイントネーションは良いに越したことはないのです。

最低限、何を話しているか伝えられるようになる必要があります。

感情のコントロール

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発生や音の重要性はなんとなく理解できたと思います。続いて、「感情のコントロール」についても解説します。

お芝居やダンス、造形や絵画、楽器の演奏と幅広い分野でも感情は切っても切り離せない関係があります。と言うのも、人が作った形の無い芸術はほぼ感情を投影して創り出されていると僕は考えています。

一見、人の気持ちなんて全く関係なさそうなものでも、バックボーン(背景)を知り、よく観察してみると物語が見えてきます。

この物語であったり、人の感情だったりを表現することが役者にとっては大切な仕事なのです。

では、感情のコントロールをどうやって学ぶのが効率が良いのでしょうか。

真似ぶ(学ぶ)

僕が続けて来た中で、理論を度外視して圧倒的な効率で感情コントロールを学ぶ方法があります。

ずばり、真似ることです。

もっと言うと、パクることです。

もう少し分かり易く説明すると、テレビや映画、アニメなど見ていると「感動」することがあると思います。

お芝居や芸術を見て、楽しい気分になった時や、胸糞悪いどす黒い嫌な気分になった時や、涙が溢れて止まらなくなった時はチャンスです。

喜怒哀楽、感情の方向性は様々ですが、自分に強い影響を与えた表現をそっくりそのままやってみることです。

これが最も最短で効率が良い感情コントロールの練習です。

改めて同じシーンを演じてみると、その難しさが理解できます。もしイメージ通りに出来なかった場合には、何が違ったのかを考えます。

悲しいイメージが足りていなかったのか?

もっと心の底から憤怒しなければならないのか?

逆にやり過ぎてしまい、シーンとの親和性に欠けてしまっているのか?

仮説、検証、分析を繰り返していくうちに、だんだんとイメージに近づいていきます。

このイメージに近づける感覚が最も大切だと言っても過言ではありません。

芝居や表現をしていない時に出会った、自分を感動させる出来事を自分で再現してみることが良い練習になります。

「そんなシーンに日常で出会えない。」という人は、もっと探してみてください。きっと知らない間に出会っているはずです。無意識下で出会っているにも関わらず、視えていないケースもたくさんあります。

日常のどんな些細なことでも、人の感情が関わっています。先ずはそこに気づくことが大切ですね。

何に対しても喜怒哀楽で接する稽古

僕が行うもう一つの感情の稽古があります。

「どんなことでも強制的に感動してみる」という稽古です。

例えば、洋服に袖を通す際に「…ううう、うわぁぁぁぁ!服だ、服を着ているぞぉ!!あああああああああ。」と、悲しみや怒り、喜びのどれかで服を着てみます。

こんな容量で、日常のいつもの動作に感動してみます。

靴下を履く時に「てめぇ!靴下がぁぁぁぁぁ!お前を履くのはこれで3度目だなぁ!覚えているかぁ!!!!」と大激怒してみたり、ご飯を食べる時に「あっはっはっはっ!お米、お米ーーーーーー!なんだってお米なんだよ、米は。こんな愉快なことが他に存在しているか!?」などと、なんでも良いので動作や物に対して喜怒哀楽で全力で対応してみます。

瞬発的に感情を切り替えたりすることで、涙を流すことが早くなったり、怒りを表現する際に自分の身体にはこんな変化が訪れているんだとか、より自分を深堀することで視えなかったやり方が視える様になっていきます。

これをやっていると、はたから見ると「狂っている」様にしか見えません。理解のある人であれば問題ありませんが、公共の場や人目がある場所では控えてください。 

ただし、全力で喜怒哀楽の稽古を行うと心底疲れます。

この疲れるという感覚もまた、芝居や表現においては通過点になるので絶対に行うべき練習です。

是非試してみてください。

筋トレ

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筋トレもまた、必須稽古です。

どんな表現を行うかで使う筋肉が違ってくる為、一概には言えませんが筋トレも積み重ねていきましょう。

最低限、必要筋力がないと正しい発生も、役者として美しい姿勢も保つことができません。

スマートに見える役者でも、インナーマッスルと言われるパッと見では分からない部分に筋肉の鎧を纏っています。

丹田(たんでん)と呼ばれるおへそより5㎝下の下腹部に、発声に使用する重要な部分があります。

腹式呼吸の際によくこの「丹田を意識して呼吸を行いましょう。」と言われたりします。

なので、丹田については嫌でも良く聞くことになるので今は「あー、そういう部分があるんだなぁ。」とだけ思っていてください。

では、普段僕が行っている簡単な筋トレをさらっと解説します。

筋トレのやり方

筋トレは、主に4つ行います。

①腹筋、②背筋、③腕立て、④スクワットの4項目だけです。

この他にもっと鍛えたい場合は、どんどん追加してください。役者は筋肉があった方が楽です。スリムな体形の方が望んだ仕事に出会えると思います。

僕が行っているやり方は、①腹筋30回、②背筋30回、③腕立て伏せ30回、④スクワット30回を1セットとするやり方です。

①~④、これを一日3セット行います。

まず、朝起きて1セット、日中時間がある時にもう1セット、家に帰ってお風呂の前や、寝る前に未消化のセット数をこなすという感じです。

理想は、一回で3セット行う方が良いのですが、忙しい人の場合朝も昼も筋トレすることは難しいと思います。

勿論、家に帰ってからまとめて3セット行っても問題ありません。

また、各30回としていますが、自分の力量にあった回数を設定してください。

筋トレに馴染の無い方がいきなり始めると、鍛えるどころか逆に身体を壊してしまいます。

まず。5~10回でスタートして、徐々に回数を上げていきましょう。

これで社会人太りや、多少の運動不足解消も行えて身体を鍛えられるのでバッチリです。

役者は基礎筋肉も重要になるので、是非筋トレも日々の稽古に追加しましょう。

情報発信

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最後に、今の時代SNSや自分の情報発信の場を持って、そこで毎日情報発信を行いましょう。

何故この情報発信が必要かと言うと、現代社会において必須となっているからです。

お客様が自分の姿を見てファンになってくれたとします。高い確率で「あの役をやっていた人はどんな人なのだろう?」と興味を持ってくれます。

すると、ネットで「〇〇 〇〇」という感じで検索してくれます。

その検索結果にTwitterやブログがあると、検索したお客様は役者の芝居以外の日常を知ることができます。

自分が思っている以上に、お客様は気にかけてくれていて検索をしています。

興味をもってもらえると、芝居以外にどんなことをしているのか?という感じで、その場以外の活動をチェックしてくれます。

そんな大事な局面で、情報が何も手に入らないとガッカリさせてしまいます。せっかく持ってくれた興味を大きな期待に変えられるように、正しいインターネットリテラシー(知識や礼儀、マナー)を身に着けることも必要だと思います。

今の時代だからこそ、よりSNSやブログといった、情報発信の場は必要なのです。

勿論、情報発信の場を持っているからと言って、何でもかんでも受け入れて暴露するのは大間違いです。大切な情報を預かっていますし、ファンの方は友達ではありません。絶対の礼儀とマナーを持ってコミュニケーションを取りましょう。

アナタが真摯にファンの方に向き合えば、もっと興味を持ってもらえますし、もっと好きになってもらえます。

応援のメッセージは、明日の芝居の力になります。

SNSやブログは、ファンの方との芝居以外の場での大切なコミュニケーションツールになりますので、絶対に始めるべきですし、上手に運用できるようにルールを知る必要があります。

自分に関わってくれた全ての人に喜んでもらえるようにネット社会における、正しい知識を学ぶと尚良しです。そりゃもう最高。

上で解説した、「今日は外郎売を3回もやりました。」とか、「筋トレをやって、こんなにもムキムキになりました。」とか日々発信しても良いと思います。

まとめ

記事のポイントをまとめます。

役者になるため、もっと成長するための練習

・外郎売をやってみよう。(毎日一回)

・活舌とイントネーションを見直そう。

・感情のコントロールの稽古をしよう。

・筋トレは一日3セットを行いましょう。

・情報発信を正しい知識で行いましょう。

他にもやるべきことはたくさんありますが、「毎日何をすべきか分からない。」とか「他の人はどんな練習を行っているのか気になる。」という人は参考にしてみてください。

どんな練習を行うかより、毎日継続することが重要だと思います。

イチを積み重ねて100にする。それが上達の近道だと思います。

また毎日活動していると道に悩む時があります。そんな時は初心に返って、「何故表現を始めたんだろう…。」一度振り返ってみると新たな発見があるかもしれません。

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【おわり】